大判例

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東京高等裁判所 昭和37年(ラ)42号 決定

一、債権の転付命令は差押に次ぐ換価手続としてなされる執行処分であつて、強制執行一般の要件を具備するほか、被転付債権が差押可能なものであり、且つ券面額を有するものであるときは、命令が第三債務者に送還されると同時に、その目的とされた債権が存在するかぎり、右債権は債務者から債権者に移転する効果を生ずるものである。従つて上記のように債権の差押と転付命令が同時に併せてなされた場合には、命令が第三債務者及び債務者に送達されることによつて、右命令は確定的に効力を生じ、差押の効力も消滅して執行手続は終了してしまうのであるから、執行手続上はもはやこれを争う余地がないものというべきである。

二、抗告人は本件債権差押及び転付命令の債務名義である執行証書が代理権限を有しない者によつて作成されたものであると主張するのであるが、かりに右のような事由があつても、公証人がその権限に基き法定の手続に従つて作成したものであるかぎり、執行証書自体の無効をきたすものではないから、抗告人としては右執行証書に表示された実体法上の権利関係が無効であることを理由として、別訴において、債権者である神藤才次或は第三債務者である東京電力株式会社を被告として、実体関係について争うべきで、本件債権差押及び転付命令を違法として争う余地はないものといわなければならない。

(村松 伊藤 杉山)

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